コラム

アスクワンのコンサルタント・コラム

Vol.17

コラムタイトル 「経営を占う?」

 コンサルタント 渡辺 伊津子

みなさん、こんにちは。お元気ですか?

さて、今日はこれまでとは少し視点を変えて、「経営を占う?」というテーマで思いつくままおしゃべりしてみたいと思います。みなさんのなかで、最近、占いに行かれた方はいらっしゃいますか?そのとき、何を占ってもらいましたか?占いは当たりましたか?

占いにもいろいろな種類がありますよね。手相や人相、数秘術やタロット占い、西洋占星術や八卦などなど。占いというと、何かとても神秘的で、謎めいた感じがするという方もいらっしゃることと思います。占いのイメージにはかなり個人差がありますよね。ですので「経営を占う」なんていうと、そんな非合理な感じのものに、経営のかじ取りを任せることはできないと感じる方もいらっしゃると思います。その一方で、歴史を遡れば、呪術的なものによって国家の行く末を占うということが、当然のように行われてきた時代もありました。この流れを踏まえると、占いを経営に活用することに何ら違和感を持たないという方もいらっしゃると思います。実際、わたしの知っているかぎりですが、経営の課題に関して占いを活用されている経営者はかなりいらっしゃいます。今日は、その理由について考えてみたいと思います。

1つ目の理由は、やはり「経営者の孤独」にあります。最終的な決定権限と責任を持つ経営者は常に孤独を感じています。もちろん、メンバーの意見を聞いたうえで意思決定するのですが、しかし最終的な判断を下すのは経営者であり、相談相手は自分自身ということになります。経営者も人間ですから、判断に迷うのは至極当然のことです。そんなとき、あくまでもひとつの「心の拠り所」として、占いの手を借りようという気持ちが出てくるのだと思います。

2つめは、「合理性が必ずしも経営の成果をもたらすわけではない」、ということに関連しています。経営活動といえば、やはり調査や分析、論理性や計画性などという言葉で表現されるように、ある種の合理性に基づいて行われています。しかし、たとえば企業が市場調査をして製品開発をし、情報分析してマーケティング活動を行ったとしても、それが常に狙いどおりヒット商品につながるわけではありません。その反対に、予測や計画性を重視するのではなく、むしろ偶然の思いつきや判断が、製品やサービスの開発やヒット商品を生んだという事例も数多くありますよね。これだけ環境の変化が激しいと、将来を予測することは難しいといえます。だとすれば、ひとつの「手がかり」として、経営者が占いを活用するという選択肢が出てきても何らおかしくはありません。

3つ目の理由になりますが、やはり「占いが当たった」という経験がそうさせるのだと思います。あまりにも当然のことですが、人は当たらないものは信用しません。ですが、過去に占いにみてもらって当たった、とても参考になったという経験があればどうでしょうか?また占ってもらおうという気持ちになりますよね。2つ目の理由までは、占いは神秘的でどちらかというと非合理なものという前提で話を進めてきましたが、「当たる占い」にはきちんとした根拠があるのだと思います。人類の長い歴史のなかで生き残ってきた数々の占術の背景には、とても奥深く、われわれの計り知れない何らかの「理(ことわり)」があり、それが経営者を惹きつけているのだと思います。占いを経営に活用している経営者は、そうした「理」を感覚的に感じ取り、そののなかで自社の行く末に思いをめぐらせているのかもしれません。最後に、スピリチュアルつながりでいえば、経営学の分野でもスピリチュアル経営やスピリチュアル・リーダーシップという議論が出てきています。なんだかとても興味深いですね。

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